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目を覚ますと真っ白な天井が見えた。
意味がわからないが、体の上に布団が掛けられているので、どうやらここはベッドの上らしい。
先ほどまでのしんどさはいくぶんかマシになっていた。左腕に刺さっているこの点滴のおかげだろうかとぼんやり思う。
いやいや、違う。
そうじゃない。
「すずは?」
私は勢いよく起き上がってまわりをキョロキョロと見回す。
そうだった、アパートを目前にして倒れそうになったんだった。ていうか、たぶん倒れたんだ。じゃあすずはどうしたんだろう。
そこでようやくベッドの脇に人が座っていることに気付いた。私と目が合うとばつが悪そうに目をそらす彼。
「…柴原さん?」
その名を口にすると、彼はまた私の方を向いて、コクリと頷いた。
なぜ柴原さんがここにいるのだろう。
まったく意味がわからない。
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