タイムスリップ

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タイムスリップ

夕飯を食べて、暫くしてからお腹が痛くなってきた。もう寝るからと家族に告げ、2階のトイレに駆け込んだ。やはり、お腹が下った。自分の意思と関係無く、自然と力が入り思ったより力強く踏ん張った。その時、トイレに座っている自分の姿を、一瞬見下ろした画が見えた。あれ?今、自分が居るのは、トイレじゃ無く、全てが白い部屋。四方の壁、床、天井、全部白い。出入り口、窓すらない、この部屋の真ん中に何故かあぐらをかいて座っている。そして正面の壁にトイレで座ったまま、動かない自分の姿が映っているのが見える。只、その映像をボーッと見ている。どれくらいの時間が経ったのか分からないが、トイレのドアが外から開けられた。家族全員がトイレに来て、何か話し掛けながら俺の身体を揺すっているのが上から見える。赤い光と大きな音が鳴り響くなか、若い男性達に救急車に運び込まれて行く自分の姿を眺めて続けていた。
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