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僕に対する嫌がらせは、日を増すごとにエスカレートしていった
嫌がらせとは名ばかりで、ほぼ虐待のそれに近かった
見かねたユノ様が、一緒に逃げようと言ってくれたけど、僕たちが逃げたところで、捕まるのは時間の問題だと思ったから、僕は首を縦には振らなかった。
「ジェジュン、、此処に居たらいつか彼奴に殺されるかもしれない、、お前だけでも逃げろ、、!」
「それでも良い。その時までユノ様の側にいられるのなら、、」
「ジェジュン、、ごめんな、守ってやれなくて、、」
熱湯を浴びせられた背中がジクジク痛む
他の使用人達は皆、それを見て見ないふりをした。それで奥様の気が収まるのであれば、、チョン家の跡取りを産む大事なお方。機嫌を取らなければいけない
もし、機嫌を損ねて離縁ともなれば、この国では死を意味する。さらに不貞行為が明るみに出たなら、、、厳しい処罰が待っている。
だから、他の使用人達も黙ってるしかなかった。
ロクな手当もされず、次から次へとその跡は塗り替えられ、赤黒く変色し痛々しいまでに身体に残った傷創達
僕の身体はもう限界だった、、
死のう、、
死を覚悟し、僕は着の身着のまま夜通し逃げた
そこは一度だけユノ様と訪れたことがある山の中にある別荘で
まだ奥様を娶る前、身分は違えど幸せだったあの日、此処でもユノ様に抱かれた
そして裏山に出て、根に毒があると言う植物を数本抜くと、別荘に持ち帰り煎じた
一人で死ぬなら、ユノ様との思い出のあるこの場所で死にたかった
ユノ様のベットに寝転び、煎じ薬を一気に飲み干した
しだいに身体が痺れ瞼が重くなる、、
「ユノ様、、愛してます。神様、、もし生まれ変わることが出来るのなら、今度は一緒に居させてください、、」
涙が頬を伝うと同時に意識を失った
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