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順調に進められていく縁談。
僕も、結納やら訳の分からない代々受け継がれている儀式とやらの準備で、てんてこ舞いだった
「ユノ様、お疲れですか、、?甘いものでもお持ちしますか?」
「いや、、いい。少しだけ側にいてくれるか?」
「はい。喜んで」
ユノ様はギュッと僕の腰の辺りを抱きしめてくる
行き場をなくして宙を浮いた僕の手は無意識のうちにユノ様の髪を撫でた
「大丈夫ですよ、、きっと」
僕が言える精一杯の言葉。
大丈夫じゃないのは寧ろ自分の方かもしれない、、
ユノ様が結婚したら、僕は、、
夜の相手は愚か、ユノ様のお世話すら出来なくなってしまうかもしれない、、
ユノ様の結婚相手を羨ましく思う反面、妬ましく思う得体の知れないドロドロとした感情が僕の中に芽吹く
こんな事思うのはチョン家のservant失格なのかも知れない、、
だからと言って、ユノ様の結婚に口を出すことなんて出来ない。それが僕の定め。
ユノ様と僕は住む世界が違うのだから、、
ユノ様のお世話を出来るだけ幸せだと思わなくちゃ、、
刻一刻と近づいていく結婚の儀
日に日に激しくなるユノ様の"夜のお供"
とうとう結婚の儀の前夜、いつもに増して派手に抱かれ、僕は意識を飛ばしてしまった
目が覚めるとそこには端正な顔立ちのユノ様の優しくも寂しげな寝顔があった
僕はそっとその顔に触れ、触れるだけのキスをした
「ユノ様、、愛しています、、どうか幸せになってください、、」
そう呟くと、僕は部屋を出た
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