透明パラソル

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 駅から東に伸びた大通りのチーズケーキ専門店は女の子で行列ができていた。ナナセは黒のTシャツに、黒スキニーを履いて、全身黒一色だった。短く切り揃えられた髪はナナセのシャープな顔を引き立たせており、並の男より洗練された外見だった。 「なに、その顔。アミちゃんの事思い出して、センチメンタル?」 「いや、ナナセを見てた」 「え」 「えっ、てそのままの意味。その黒T、いいな。どこで買った?」 「駅裏の雑貨屋」 「あ、あの、変な人形が手招きしてるとこか?」 「あれ、人形じゃなくて、宇宙人のコスモくんだから」 「コスモくんって名前そのまま」 「うん、センスないよね」 「分かってて、その店行くんだ」 「ダサい感じを隠さないのがいいのよ」 「ふーん」  ナナセの持論はよく分からないが、この店でチーズケーキを食べた後に行ってみるのもいいかもしれない。 「ここで、食べた後、その店行く?」
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