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女は白目をむき苦悶の表情を貼り付け、事切れていた。首には赤黒い締められた筋が、白い首筋には何本もの爪痕が残されていた。
「殺人で決まりですね!」
白い手袋をはめ使い捨てのヘアキャップをかぶった河合真実が、眉間に縦じわを寄せ大きな目を更に見開き、死体を観察しながら言った。刑事になって初めての事件に少々興奮気味だった。
「まあ自分で首を締めながら首筋を引っ掻くのは難しいだろうなあ。だが検死の結果を聞く前に勝手に決めつけるのはやめた方がいいぞ」
部屋の隅でしゃがみ込んでいた年配の老刑事、園田武彦が答えた。
「さて、そろそろ行くぞ」
「え、証拠探しとかしないんですか? テレビでは刑事が鑑識も見つけられなかった証拠品を見つけた! とかやってるじゃないですか。私目がいいから小さい物見つけるの得意なんです!」
張り切りすぎる新人にため息を付きながら老刑事は言った。
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