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「奥さん、そういうワケで調べさせてもらいますからね。旦那さんがいつも着替えをする部屋、それから寝室を見せて下さい」
菜々子は黙って案内をした。しかしその苦悩する表情は今にも泣き出しそうだった。それをこらえ気丈に振る舞う姿を見て真実も辛くなった。
部屋はとても綺麗に整理整頓されていた。余計なものなど全く見当たらず、塵ひとつ落ちていない。こんなに綺麗にしている家をかき回すのは気が引けた。しかし男たちはそんな事はお構いなしに荒らして行く。
夫の逮捕だけでも辛いだろうに、せっかく綺麗にしていた家も散らかされて行く。菜々子の気持ちを思うと真実はとてもいたたまれなくなった。
「すみません、散らかしてしまって……」
後片付けは業務内容には入っていない。警察は散らかすだけ散らかして帰って行くのみ。これをどんな気持ちで菜々子が片付けるのかと思うと真実は辛かった。せめて自分だけは丁寧に捜索しようと思った。
1時間ほど捜索をし、刑事たちは押収した物を記録しダンボール箱へと詰め始めた。
他の4人が箱詰め作業をしている間に園田は菜々子に聴取を始めた。真実も園田の後ろに付いた。
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