はじめに

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はじめに

── 今、アジアの映画が熱い。 声を大にして言いたい。 ここ数年、アジア映画が凄い。 ヨーロッパ圏の映画市場が、金縮路線に向けて動く中。 Jホラーが伝染した韓国ホラーの流れから、低予算繋がりで韓サスの流れが来ているのだ。 韓国ホラーが火付け役になり、シンガポール、中国、台湾。 質の高いアジアホラーは、もうすっかり一部の映画ファンに市民権を得ている状態だ。 ヨーロッパ圏の中では、特にロシアホラーが最近では熱いのだが。 それと別の流れで、じっとりと怖い、南米系ホラーがゲームを中心にして映画に進出して来ている。 「オールド・ボーイ」のヒットが日本でも有名になったが。 低予算繋がりからか、ライトな韓流ラブコメを経て、いち早くホラーからサスペンスに本腰を入れた韓国映画は、この分野では間違いなく世界のトップを走っていると思う。 当たり外れはあるものの、レビューでもめちゃくちゃ高い評価を叩き出しているのは、サスペンス・ジャンルである。 ── そして。 「カイジ 動物世界」「夏、19歳の肖像」 この2本は、観た時に衝撃が走った。 ちなみに、どちらも中国映画。 正直、華流……中国を舐めていた。 いや考えてみれは、香港── ジャッキーチェン、ブルースリー、キョンシー、チャイニーズゴーストストーリー、金城武を生み出した、映画大国を吸収した国である。 その華流が、サスペンス映画に参入し始めているのだ。 まだ本格的ではないものの、ご存知の通り2作品とも原作は日本だ。 韓国映画でも、日本原作の映画は多い。 オールドボーイ、彷徨う刃、凍える牙。 非常に質の高い日本サスペンスが、海外に流出しているとも言える。 一方で、日本サスペンス映画はどうかと言うと、興行が軒並み低陸飛行……。 謎解きミステリーと警察もの以外で、日本の不作が続くお寒い状態なのだ。 何故だろう。 原作が不作なら、海外に流れたりしない筈。 ああああっ……なんて勿体ない。 ワタシはアジア大好きなヒトだ。 韓国も中国も、台湾、タイ、シンガポール。 大好きである。 だってアジア人だもーん。 勿論、韓国映画や中国映画が盛り上がってくれるのは嬉しいし、面白いサスペンス映画がたくさん見られるのも嬉しいです。 だが! せっかく素晴らしい才能を持った日本人クリエイターが、母国で有名になれないなんて、そんなのは余りに勿体ないではありませんか。 外国行かないと、映画化されないなんて。 クールジャパンで、アニメ化はワンチャンされるかも知れないが、それだとアニメ化に強い、キャラクター性が強い作品しか残らない。 サスペンスファンが喜ぶ、ヒリヒリするようなツイストの応酬や、観客を飲み込む圧倒的なスピード感。 ストーリーの良い作品達は、永遠に陽の目を見ないことになります。 ── と言うことで。 何が言いたいかというと。 サスペンス映画を見てくれ!!! マジで強烈に推したい! ちと集中して見ないとストーリーが追えなくなったりするが、それを補って有り余る「何か」があるのがサスペンスである。 脳力使い切って、虚脱状態になるまで。 是非、心ゆくまで耽溺して頂きたい。 ちなみに、これから紹介させて頂くサスペンス作品は、ワタシが個人的に好きな作品だ。 ホラーやサスペンス以外の作品もある。 またサスペンスであっても、アジア圏ではない米国系映画作品も紹介予定だ。 完全に個人的な趣味なので、趣味に合わない方も居るかも知れない。 ただ、是非この文章をキッカケにして、良質なストーリーに出会ってみて下さい! 皆さまに、ステキな物語との出会いがありますように!(*'▽'*) ※注意※ 本編では、ストーリー紹介中に一部ネタバレが含まれます。 気になる方は、前半の紹介部分のみ見て頂くか、閲覧注意でお願いします♪
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