双子の妖精

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 あるところに、双子の妖精がおりました。片方は、晴れの妖精ハレタ。もう片方は、雨の妖精アメカです。  この双子は、顔を見れば喧嘩をするような仲の悪さで、まわりにいる妖精たちは困っていました。  ある日、妖精の王様が、双子を神殿に招きました。 「晴れの妖精ハレタよ、そなたはなぜ、そんなに晴れにしたがるのじゃ」  ハレタは答えました。 「多くのものが望んでいるからです。私は必要とされているのです」  王様は、ふむふむとハレタの話しを聞き、今度はアメカに質問しました。 「雨の妖精アメカよ、そなたはなぜ、そんなに雨にしたがるのじゃ」  アメカは答えました。 「多くのものに喜ばれるからです。私は必要とされているのです」  王様は、ふむふむとアメカの話しを聞き、こう言いました。 「では、晴れの妖精ハレタは南へ行き、ずっと晴れにするとよい。雨の妖精アメカは北へ行き、ずっと雨にするとよい」  それを聞いた双子は、 「しめしめ、これで思う存分、晴れに/雨にできるぞ」と喜び勇んで、南北へと別れて行きました。
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