魔女の喫茶店

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 ドアが開かれると同時に鈴の音が店内に響き、ミアは振り向く。  優しい笑顔を浮かべた老人の常連客だ。ミアはその客の名前を思い出す。毎日のように来てくれていたのに、名前を知ったのは実は最近だったりする。 「ロドリィさん!今日も来てくれたのね!」 「魔女のコーヒーはとっても美味しいからね」 「もー、その呼び方ロドリィさんはしないでって言ってるのに」 「すまんすまん、つい」 「ふふ、じゃあいつもので良いわよね?」 「ああ、頼むよ」  ミアは微笑むと杖を軽く振る。杖の先は光珈琲豆が動き出す。  空中に浮かんだ珈琲豆は次々粉へと変われば、準備したドリッパーに流れるように入っていった。横目でロドリィを見れば目が合う。 「ロドリィさんっていつも見つめてくるわよね」 「ミアちゃん可愛いからね。それに、僕は君がコーヒーを淹れる姿が好きなんだよ」 「嬉しい事言ってくれるわね」  白髪と白髭の似合うロドリィの優しい言葉にミアの口元は緩み、嬉しそうに笑った。
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