法案可決

1/1
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ

法案可決

賛成 499 反対 1 「以上、圧倒的な過半数によって本法案は可決されました!」 立法府である国会で審議が下された瞬間である。 しかし突飛な法案が可決されたものである。その名も「オッパイ接触可 法案」 要するに男性は合法的に「女性のオッパイを触ってもいい」と言う内容の法律だ。 ある意味、全ての男性の長年の夢であった法案が本日可決されたのだ。 ※ テレビからリポーターの声がする 「国会前からの中継です。本日可決された新法案に対する国民の生の反応を伺ってみたいと思います」 「すいません、先ほど可決された新法案についてご意見頂戴できますか?」 初老の男性にマイクを向けた。 「いや、全く素晴らしい法案だな。長生きはしてみるもんだね」 大学生風の男性にマイクを向けた。 「いや、もう最高っす!バイトする明確な目標ができました!」 高校生男子にマイクが行く。 「好きな女の子の胸が触れるんですよね。夢のようです、生きててよかったです」 中年の主婦にマイクが行く。 「全く最低ね。鼻の下を伸ばしたスケベオヤジたちが好きそうな法案ね。ヘドが出そう」 女子高生にマイクが行く。 「なんかー、オッパイ触らせたらお小遣いもらえるんですよね。私もやってみようかなー」 水商売風の若い女性にマイクが行く。 「私たちは最初から体を売って商売してるからあんまり変化ないよね。でも直接お金が入るんだったら嬉しいわ」 「ありがとうございました。以上さまざまな反応でした。国会前からの中継を終わります」 ※ 当然その日の新聞はこの法案の詳しい内容や、是非を問う文面が紙面を飾った。 テレビも難しい顔したコメンテーターが真剣にこの法案の可否と将来における影響を論じている。 しかし最高府の国会ですでに決まったことであるから、世論やマスコミがどう言おうと、明日から施行されるこの法案に対して全国民は粛々と受け入れる用意をした。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!