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「俺は日永さんが困っているのに気づいていたのに、何もしてあげれなかった。
すまなかった。
日永さんの生保レディとしての実力は本物だから、東支部に行っても頑張って」と言われ、今までの二宮支部長への怒りがすっと消えていくのを感じた。
「今までありがとうございました」と感謝の気持ちを口にした。 二宮支部長が誘ってくれたおかげで生保レディとして成功できたのは本当だから。
その後、朝礼で、木村さんと一緒に挨拶をする。
生保レディたちの思いは複雑だったと思うけど、全員拍手をしてくれた。
引継ぎは支部長がしてくれるそうだ。
これで南支部に思い残す事はない。
荷物を片付けて、木村さんと一緒に東支部に向かった。
「東支部の支部長、怖い人かな?」
フロアが違うので東支部とは全く交流がなく、東支部の支部長の事は全く知らなかった。
「大丈夫ですよ。 東支部の遠藤支部長は優しくて人当たりが良いです。 50代でイケメンではないですけどね」
木村さんが笑いながら言う。
木村さんの交流の広さはすごい。
オタクな雰囲気の木村さんにどうしてこんな力があるんだろう、と思わず木村さんを見つめてしまった。
木村さんの言う通り、東支部の遠藤支部長はとても良い人だった。
私と木村さんが東支部に移動になった事情も知っているはずなのにら何も言わずに明るく迎えてくれた。
東支部の生保レディは年配の人が多いけど、バリバリのキャリアウーマンと言うより、優しいお母さんという感じの人が多い。
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