10.傷物の身体

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10.傷物の身体

「もう本当に……やっとご結婚相手が決まられて良かったです。  今まで御令嬢が何人も激怒されて帰られたんですよ……」 「それは、大変でしたね……」  涙ながらに話すローラにサザは苦笑いしながら答えた。  呼びに来てくれたローラと他のメイド達に連れられ案内された部屋に行くと、木桶に湯を張って入浴の準備をしてくれていた。  どうやらサザが着替えや身支度を整えるために用意されている部屋のようだ。 「サザ様、このまま入浴のお手伝いをさせて頂きますね」  ローラが笑顔をこちらに向けて言った。 「お、お手伝い……?」 「ええ、私達が身体を流させて頂きますので」  サザは服を脱ぐのを手伝おうとするローラ達の方に手のひらを向け、慌てて言った。
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