3.転職

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3.転職

 しかしそれは実際のところ、全く大丈夫では無かった。 「もう、ほんとに、どうしよう……」  日が暮れたギルドからの帰り道をとぼとぼと歩きながら、サザは一人呟いた。  三人は翌日から、仕事を探すためギルドに通った。そこでカズラは武術の経験から子供向けの道場でのアシスタント、アンゼリカは毒殺の知識を生かして薬屋の仕事を見つけたが、サザの新しい仕事は一向に見つからなかったのだ。  戦争が終結し平和になったイスパハルにはサザ達のような移民が増えたことで、スキルが無くても出来るような下働きの仕事は枯渇した。そういう仕事はコネがなければありつけないという。募集があるのは高いスキルの求められるものばかりだ。  メイドの仕事だって誰でもなれるのではない。メイドにはメイドとしての高い能力を持つ者の募集しか無かった。  スキルと言えばサザは元々腕利きの暗殺者なのだから、暗殺者でなくとも用心棒や傭兵のような仕事であれば十分に就くことができる。しかし、そんな仕事に付けば暗殺者であった過去がばれやすくなる。それはこの国、イスパハルで生活する上では死活問題でもあるのだ。
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