素直に伝えるイラスト

5/9

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
 土曜日。いつも通りに髪を結ぶ。服は、足が見えないようにジーパンを履く。服は、黒を中心に考える。と考えずともタンスの中は、白か黒しか無い。本当に可愛いとは無縁だったと思い知らされた。  1時ぴったりに紗奈が私を迎えに来た。ポニーテールに短パン。カラフルな服。軽くだが化粧をしているのも分かる。ザ・女の子って感じだ。私には、真似出来ない。 「やっほー いつもの望結だね」 「ごめん、これしか無くて」 「大丈夫だよ! 今日は、服を買いに行くより前にドラッグストアに行こうか」 「何買うの?可愛くなるなら、服が手っ取り早いんじゃない?」 「そうなんだけどね。学校では、制服がベースだからね。肌がベースになるわけですよ」 「なるほどね」 「それで今日は化粧水と乳液に、用途にあった洗顔フォームかな。モチモチの肌にニキビが出来にくくする様なケアと生活習慣これが大切かな。肌は、結果が出るまでに時間掛かるからね」 「確かにニキビは、悩みの種だね」  私の生活習慣は、ニキビが出来やすい。絵を描くことに熱中して夜遅くまで起きているし、洗顔はするけど化粧水なんて付けず洗いっぱなし。中学生の頃は、今よりも酷かった。今は、ぽつぽつあるまでに落ち着いている。  ドラッグストアに入り、化粧水や洗顔フォームのコーナーを見に行った。数が多過ぎて私には、どれも一緒にしか見えない。値段も高い物から安い物まである。取り敢えず、紗奈に任せる事にした。 「もし、肌に合わなかったらすぐに使うのやめてね。肌が荒れる元になっちゃうから」 「分かった。次は、服?」 「そうだね。行けそう?」 「うん。まだ、大丈夫」 「じゃあ、行こうか!」  電車に乗って少し大きなショッピングモールまで来た。行き交う人の服を見て、場違いな所に来たなと思って仕舞った。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加