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洗顔は、しっかりと泡を立ててから擦らずに優しく洗う。洗い流す時は、ぬるま湯を使う。しっかりと水気を拭き取ったら、化粧水、乳液の順番で付ける。ネットで検索して多分正しいだろう方法で肌のケアをした。
夜更かしは、せずにしっかりと睡眠時間をとる。食生活も今まで以上に気を使った2週間。
「望結、肌綺麗になったね」
「そうかな? 確かにニキビは、結構減ったかも」
「うんうん。肌ももちもちになって」
紗奈に頬をつんつんされながら学校祭の絵を進める。まだ、 合桜先輩に言われた意味を理解出来ていない。
「それで今週末は、髪を切りに行く予定」
「じゃあ、日曜は遊びに行こう。この間買った服に私が軽くメイクして夏祭り行こう!」
「分かった」
中学生から伸ばしていた髪を切るのは、少し勇気がいる。今日は、前髪を作る。ドキドキと不安が私を交互に巡っている。
「今日は、どんな髪型にしますか?」
「えーと。取り敢えず、前髪を作ってください」
「長さは、どうします?」
「どれくらいが似合うと思いますか?」
「ミディアムロングですかね。下ろしてても2つ結びにしても似合うと思いますよ」
「じゃあ、それでお願いします」
「分かりました」
鏡に映る自分がどんどん変わって行く。重かった髪が軽くなる。前髪が出来き、視界がはっきりしたのと同時に違和感を感じた。次第に、美容師さんが仕上げに入っていた。
ゆっくりと立ち上がる。ヘアーアイロンでクルリとカーブが付いた前髪を少し手で触りながら落ち着かない心を無理やり落ち着かせる。
「似合ってますか?」
「もちろんですよ! 自信持ってください」
「ありがとうございました」
家に帰って両親に見せた。お母さんもお父さんもびっくりとして2度見された。お父さんなんて「本当に望結か?」なんて聞いて来た。それ程までに、私は変わって仕舞ったらしい。
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