シベリアンハスキー

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「うん、まあね。実家がずっと土鍋で炊いてたから」 少しだけ得意になる。 「焦がすなよ」 誰が焦がすかアホ、と心の中で舌を出す。 何なら妄想でローキックも入れてやる。 「で?何か用?」 わざわざ喧嘩売りにきたか。 「いや。ただ鍋で炊けるの凄えなって思ったから」 「……そう」 「そういえば、最近そっちはどうよ?」 何だよ、その雑な質問。 「別に。普通」 答えも雑に返す。 「別に普通って……」 ぷっと茂木が吹き出す。 「何がおかしいのよ」 それを訝しく睨んでやった。 「俺さ、歳の離れた妹いるんだけど、今中二で反抗期真っ最中なんだけどさ。何質問してもそれなの。『別に。普通』全く同じだから、つい」 中二の反抗期と一緒にすんな。 ……いや、そうかも。 反抗してんのかも。茂木限定に。
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