シベリアンハスキー

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あの時のワークショップからずっと、そうなのかも。 何でだろ。 「そういや、お前さ……」 そう言ってから、急に黙り込む茂木。 不審に思いながら、目をやる。 「何よ」 「いや、だから」 ごにょごにょと歯切れが悪くなって、茂木らしくない。 「何よ、男ならちゃんとハッキリ言いなさいよ」 その言葉に折れたらしく、茂木は意を決したように息を吐いて、真正面に顔を向けた。 「お前、最近キレイになったな」 「……っはあっ!?」 思わず素っ頓狂な声が出た。 「いや、マジで。キレイになった。うん」 「そ、そ、そんなわけっ」 まさかコイツからそんな言葉をもらうとは思いもしなかったから動揺は激しい。 「いや本当に。昔よりキレイになったなあって見てて思った。何?恋でもしてんの?」 「なっ無いし、そんなの」 今まで誰かにそんな事面と向かって言われた事も無かったから、恥ずかしくて茂木を直視できない。 「何だ、無いのか」 だからその笑顔、怖いわ。 「無いよ。大体誰に恋するのよ。出会い無いもん、私」
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