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「ゔっ……!」
男の子の表情が見る見る青ざめていく。
それほど美味だったのか、手で口元を押さえつけている。
「どうだ? 美味しいか?」
「……っ!」
男の子の目の前で、そう囁いてやると男の子の口から吐瀉物がコンクリートの床に撒かれた。
「ゔぇええっ! ゲホッゴホッ……」
「あぁ……勿体ない。せっかく新鮮な肉を使って作ったのに」
「殺してやる……殺してやるっ!」
「……」
皿にはまだ肉が入っている。
無事な部分だけを手に取り、男の子の口の中に無理やり入れ込んだ。
「むぐぅ!?」
「噛め、お前の大事ないもうとの肉で作った料理だ……。食べてやることが、せめてものの礼儀だろ? ほら、噛め、味わって噛みしめぇ!」
背後から悲痛な、心地良い悲鳴が聞こえてきた。
「つかさ! つかさぁ!!」
「……ゔっ、ヤバイ」
残りの二人の表情も変えたい。
“俺”は、残りの肉塊を皿ごと持っていき、二人の目の前に差し出す。
女の子が小さい悲鳴をあげた。メガネの男の子は肉を見ないように視線を逸らした。
二人とも極限状態なのか、顔色がかなり悪い。
その表情もそそるがーーーやはり、“肉”を食べる姿が見たい。
俺は肉を一つつまみ女の子の口元に持っていく、女の子はイヤイヤと首を振る。
「食べろ」
「……」
「食べろ」
「……」
「……食えよ」
最後はかなり低い声で言ったからか、女の子はソロソロと口を開けた。
俺の手から肉をほんの少し噛んだ。俺は焦ったく感じ、肉を無理やりねじ込んでやる。
「んんっ?!」
苦しそうにかわいい顔を歪ませ、目には薄い“水”が潤んでいる。
ーーーあぁ、あぁ! もっと、もっと歪ませたい! もっと苦しませたいぃ!
グリュゥウ
「あっ」
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