序章

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「まや!!」 「まやちゃん?!」 力入れすぎたか……。 女の子の口角が異様な形で曲がってしまった。いや、裂けてしまった。 半分口裂け女みたいな感じになってしまったせいで、女の子は白目を向いて動かなくなった。 「……壊れちまったな」 もう少し優しく扱えば良かったな。 「テメェエエ!!」 あー、今日は萎えたな。また明日ーーー 「仕切り直すか」 男の子が殴りかかってくるのを察し、俺は回し蹴りで男の子を蹴り飛ばした。 綺麗にキマッたのか、男の子はその場でうずくまり腹を抱える。 「はぁ……」 「うっぐっ……」 「あまりが過ぎると、妹みたいになるからな?」 「……マジで、ぶっ殺すッ!」 減らず口の知らない子どもだ。しかし、意外な収穫もあったので良しとするか。 俺は、動かなくなった歪な口の女の子を抱き抱えて、入口へと向かう。 「待って下さいっ!」 「……まだ何か?」 冷たい視線をメガネの男の子に向ける。 「あ、あの、まやちゃん……」 この歪な口の女の子が気になるようだ。 「ああ、安心しろ。またすぐにからな」 それだけ言いすてると、俺は地下部屋を後にした。 地下の扉を閉める直前、元気な男の子の絶望に満ちた悲鳴がBGMのようで心地よかった。 「さて、次はどんな風に調理しようかな♪」
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