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至近距離で見つめ合ってたせいか、ドキドキと胸の中が騒ぎ出す。
「っ、ごはん作らなきゃ…」
「目逸らさないでこっち向いてよ」
目を逸らすために向き直るつもりが彼に阻止され、再び彼と視線が絡む。
「おねーさん、子供扱いしないで。もっと俺の事よく見て。それで、俺の事もっと知ってよ」
悲しげな瞳が揺らぐ。
それを見て、心がズキンと音を立てた。
──なんでこんなに必死に知って欲しがるの。
私たちはそういう関係でもないじゃない。
私は琉架くんを助けただけの何でもない関係なのに。
自分を知って欲しいという彼の意図が分からない。
第一、私にはハルがいるのに。
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