Episode1.雨の中の拾い物

6/17
前へ
/218ページ
次へ
もしかしたら彼女もお腹が空いていれば食べるだろうと思い、手際よく調理を進めること数十分。 お風呂場のドアが開いた音がしたけれど、鍋から目を離すことは出来ないため、振り向かないで声だけかける。 「ちゃんと温まった?服ならラックの所に用意してあるから、それ着てくれる?」 鍋の中をかき混ぜようとコンロに向かう途中、急に後ろからぎゅっと抱き着かれた。 「ひゃあ?!」 突然のことに変な声を上げてひっくり返ると、私を見下ろす男の子が立っていた。 その事に慌てて飛び起きて、後退る。 「だ、誰…っ?!」 手にしていたおたまを武器代わりに彼に向けながら、少しずつ彼から距離を取る。
/218ページ

最初のコメントを投稿しよう!

190人が本棚に入れています
本棚に追加