Episode1.雨の中の拾い物

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私はまんまと彼に距離を詰められて逃げ場を失った。 「ち、近い!っていうか、服!服着て!」 (目のやり場に困る…!) 目を逸らしていると、彼が私のこめかみにちゅっとキスをする。 「ひぇあっ?!?!」 思わずまた変な声が出た。 「何その反応…おねーさん、かーわい♡」 からかわれてるのだと思うと、じわじわと顔が赤くなるのが分かる。 「な…っ、か、からかわないで!」 「からかってないよ。ホントのこと」 「絶対ウソだ…!」 少しでも逃れたくて、彼の肩をぐいっと押してみる。 けれど、効果がないのか彼がニヤリと笑いながら私の手をぎゅっと掴んだ。
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