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職場に着くと、みんなが私を見ているのがわかった。
見ているのはおでこだ。
今まで長い前髪でごまかしていたニキビだらけのおでこを、ピンで留めて白日の下にさらした。
「え。高階さん、どうしたの。でこっぱちじゃん」
隣の席の同僚が言った。
「生まれ変わるんです」
「はい?」
同僚は半笑いで私のおでこを見て、肩をすくめた。
笑いたければ笑うがいい。
これは今、私が蝶に生まれ変わるためのステップ。今はさなぎ。
今がどんなにかっこ悪くても、この先には今までなれなかった、なりたい自分が待っているのだ。
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