valkyrie-2

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私はグランから魔法を使うための物をもらった。 大きなローブ、小さな枝のような杖。それだけ。 「ねぇグラン、これだけで魔法使いになれるの?」 「魔法使いというのはね、呪文を覚えることが大切なんだ。 そうだ、この本を貸してあげよう。色々なことが書いてあるよ」 分厚い本を渡された。 「わかった、ありがとう。これを読んで少し勉強するわ!」 「ようし、いい子だな」 そう言ってグランは私の頭をわしわしとなでた。 マルガリータは早速本を読んでみた。 色々なことが書いてある。 カエルをうさぎに変える魔法、 石をパンに変える魔法、 絨毯を飛べるようにする魔法…などなど。 マルガリータは本にかじりつくようにして毎日読んだ。 ある日、マルガリータはグランに言った。 「ねぇグラン、あの本の呪文はもう全部覚えちゃったわ」 「おぉ、すごい。さすが私の子だな」 「それでね、魔法を実際に使ってみたくて…」 「ようし、いいだろう。どれを使いたいんだ?」 「これがやってみたいの」 マルガリータが指を指したページには、 過去の記憶を呼び戻す呪文が書かれていた。 「マルガリータ、これは高等魔法だから君にはまだ使えないよ。 まずはカエルから練習だな」 「そうなの?がっかりしちゃった。 私、過去の記憶がなんにも思い出せないの。 だからそれがわかれば何か役に立つかなって思ったの」 「大丈夫、これから覚えて行けばいい話さ。 さ、カエルを用意したからやってごらん」 目の前にはカエル。 私は呪文を唱えた。 「アルガータ・イハリ・ヨリータ!」 カエルはうさぎに変身した。 「見てグラン!成功したわ!」 「一発で成功とはすごいな!よくやったマルガリータ」 グランは満面の笑みで私を抱きしめてくれた。 「じゃあもう少し難しい魔法を使ってみるかい?」 「うん!やってみたい!」 「これは中等魔法といってね、 これが使えれば正式に魔法使いと名乗ることができるんだ」 「そうなの?私も魔法使いになりたい!」 「そうだろうそうだろう、やってみなさい」 私は呪文を唱えた。 「フライデン・ド・スパータ!」 結果は…失敗。 石はパンにはならなかった。 「グラン、私失敗しちゃった」 「何を言っているんだ、難しいんだから当たり前だろう。 今日はこれができるまでずっとここにいるんだな」 グランは少し怒ったような様子だった。 私は何時間も何時間も練習した。 「フライデン・ド・スパータ!」 「フライデン・ド・スパータ!」 「フライデン・ド・スパータ!」 何度やってもパンにはならない。 諦めそうになった時、ジョーがやってきた。 「よう、お前なにやってんだ?」 「魔法の練習よ。難しくてできないの」 「ふーん、俺は魔法なんて使えないけどな。 どうしたら成功するんだ?」 「それがわかんないから困ってるんじゃない!」 私は声を張り上げた。 ジョーが一瞬びっくりした顔をした。 「ごめんなさい、あなたは何も悪くないのに」 「大丈夫さ、それより俺にも見せてくれよ、魔法ってやつを」 マルガリータは大きな声で叫んだ。 「フライデン・ド・スパータ!」 すると目の前の石がパンに変わった。 「うわっ、すげぇや!」 「やった!やったわ!成功よジョー!」 「これでやっとグランのところに行けるわ!ありがとうジョー!」 そういってジョーにハグをした。 ジョーは照れながらもそれを受け入れた。 家に帰ると開口一番にこう言った。 「グラン、私できたわ!魔法が成功したのよ!」 「おぉ、さすがじゃないか!マルガリータならできると思っていたよ。 さ、疲れただろう。夜ごはんを一緒に食べよう」
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