叶わなかった父の日

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6月21日は、父の日。 中学生の間は、ずっとないものと思って無視し続けていた記念日だった。 あの頃、わたし、双葉はお父さんが嫌いだった。仕事はしてくれた。可愛がってもくれた。何不自由ない生活もさせてくれた。どれだけ無視しても、私のことを思ってくれていた。だけど、それがウザかった。 一度、本気でイラついて鏡を投げてしまったことがあった。その時は、流石に反省したが、3日も経てば忘れてしまった。 でも、今ならわかる。お父さんがどれだけ自分を愛してくれていたかを。もちろん、お母さんもだ。 今日は、お父さん嫌いを克服してからの最初の父の日だ。だから、今までのことの謝罪も含めて、良いものをプレゼントしたいと思った。 私はおろしたてのお金を入れた財布を持って、意気揚々とショッピングセンターへ脚を運んだ。 午前11時を過ぎた頃だった。
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