報われない恋〜Teardrop of Mermaid〜

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「真珠、LINEで連絡を取り合ってたらよかったな。図々しいかなと思ってできなかった」

今のご時世、FacebookやTwitter、InstagramにLINEなどのSNSがあるから、繋がろうと思えば国が違って連絡は取り合える。

Folkeskolen時代は飛び級を繰り返していたから親しい友人を作る事ができなかった。
EUDからは同じ建築学を学ぶ仲間として付き合いはあるも、歳が離れ過ぎてクラスメイトと馴染めず、プライベートでは関わりを持ってなかった。だから、SNSでやり取りし合う必要はなかった。
自分から不特定多数の人にプロフィールを作って情報を配信する必要性も感じず、勧められたけど開設しなかった。

LINEは登録してる。
父との連絡手段としてと仕事の依頼を受けるために利用してた。
琥珀がいたひと夏はリフレッシュ期間で、自宅でのんびり暮らしていたからほぼ活用してなかった。

常にiPhoneとiPadを持ち歩いてるけど、Safari検索や画像保存、読書などに活用しているだけで、琥珀くんは私がSNSをやらない子だと思ってた。

「琥珀くん、時間が合う時に都内近辺を案内してやってくれないか」

「はい、天沢教授。真珠、今度は俺が真珠に日本を案内するよ！！」

父の仕事のサポートと資格試験があり、それなりにスケジュールは埋まってる。
だけど、琥珀くんが父の設計事務所でアルバイトする事になったから、ほぼ毎日会える。

琥珀くんとこんなに早く再会できるとは思わなかった。
そして、またコペンハーゲンにいた時みたいに一緒にいられるのが嬉しかった。