プロローグ

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『あっ、救急車来た。溺れて心肺停止してたし、水飲んでたら肺水腫になるかもしれない。病院行こう、付き添うから安心して!!』 真珠は駆けつけてきた救急隊員に、デンマーク語で俺の状態を詳しく話してくれて、救急車に同乗してくれた。 病院に到着後、肺に入った水を抜き、抗菌薬の点滴を2日間投与する事になった俺の世話を赤の他人なのに、真珠はしてくれた。 退院後、俺は真珠の家で残り45日間の滞在期間を過ごす。 真珠の父親は世界的に有名な建築家の天沢颯人さんで、俺に建築に関する事を色々教えてくれて、仕事も手伝わせて、歴史的建築物や有名な北欧建築物を一緒に見て回ってくれて、有意義なひとときを過ごさせて貰った。 『琥珀、明日、日本に帰るの?』 『あぁ、本当はもっとここにいたいが、新学期が始まるから』 大学2年の俺。できるなら残って颯人さんから建築について学び、真珠とサーフィンをしたり建築デザインのスケッチをして楽しみたい。 『琥珀、私、日本の大学にいく!!琥珀が通ってる大学目指す!!』 空港まで見送りに来てくれた真珠。 俺との別れに涙を浮かべていた。 『ーー待ってる。真珠、2年後に会おうな!!』 真珠との再会を願い、俺はコペンハーゲンを後にした。
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