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父が仕事の基盤をコペンハーゲンから日本に移す事にした。 理由は高齢になった祖父母の看護のため。 物心がついた頃から父と2人、コペンハーゲンで育った私は、日本の街並みに驚く。 成田空港から高速バスで東京駅につき、駅から出ると鉄筋コンクリートのビル、ビル、ビル、そして人がごった返していて人に酔いそう……。 中央区の月島の比較的新しい一軒家に祖父母は住んでいた。 父が設計図を引いたバリアフリーな家を知人に建てて貰ったらしい。 そして、ヘルパー資格のある家政婦さんを雇って祖父母のお世話をお願いしてた。 「真珠、私達は近くのマンションに住む事に決めてる。家族とはいえ、いきなり今まで居なかった人が家の中に入ってきたら祖父母が休まらないだろう」 勝どきにある32階建タワーマンションの15階にある3LDKの部屋がこれから住む家。 父は世界的に活躍している設計士。 コペンハーゲンを拠点にはしているけれど、依頼が入り面白そうな仕事なら世界各国、どこにでも出向く人。 リモート通信で仕事を受ける事ができる世の中だから、現地入りは最低限で私も色んな国に連れて行って貰った。 父に着いて世界中を渡り歩きたくて、10年間のFolkeskolen(フォルケスクール)を2年間で終了し、EUD(職業訓練学校)の建築コースに3年間通い、KADK(デンマーク王立建築デザインアカデミー)でに6年間通った。 5歳の8月から教育を受け始め、17歳の6月に終了した。
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