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「真珠、私は学長に挨拶しに総長室に行ってくる。研究室の荷解きをお願いしていいか?」 25平米ぐらいの研究室。 週に2日しか来航しないのにゼミを任されるとかで、学生さんの勉強用に建築物の書物や論文などを用意しないといけない。 デジタルな時代だからパソコンで検索して見れるにはした。 だけど、コペンハーゲンの美しい建築物と父が今まで手掛けた建築物の資料や論文、設計図を目に触れやすくするために、ファイリングして本棚に置く事にした。 「2週間ぐらいかかりそう……」 本棚5つ分。論文と設計図を印刷するために上質な用紙が1000枚にクリアーファイル100個入った箱が1個。 足りなかったら事務室に声をかけたらすぐに支給される。 ひとまず、送って置いた北欧建築の書物と写真集が入った段ボールは5個分を本棚に片付ける事にした。 マンションとオフィスに本を置くスペースがないから、父は大学の研究室に全て置く事にしたらしい。 トン、トン、トン。 ドアがノックされ、「ハイッ」と開けると琥珀くんと琥珀くんの友達が6人いた。 「真珠のお父さんがうちの客員教授を務める事になったと聞いて、いつ来校するかを学科事務室で教えて貰った。研究室の片付け大変だろう。手伝うよ!!」 男子が5人、女子が2人。 かなり、助かる。 書物が入った段ボールは重たく、印刷した論文や設計図をファイリングする細々とした作業に途方にくれてた。 「ーーありがとう!!」
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