時の図書館

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それから、彼と久しぶりに色んな話をした。 この図書館のこと、好きな本や音楽、テレビ番組の話 特に映画の話題は盛り上がった。 最近の距離感を一気に埋めるように、私達は雨宿りの時間を過ごしたのだ。 しばらくすると、館長さんが私達に声をかけてきた。 「やみましたね、雨」 二人揃って窓に目をやると、暗かった風景に差し込む光があった。 「お二人でお話できましたか?」 優しく問う館長さん。 きっと、気を遣って私達二人にしてくれていたのだろう。 「はい、ありがとうございます」 私は心なしかスッキリした気分で言った。 それが何に対してのお礼なのか、彼には分からないだろう、そう思ったのに、 その彼も「ありがとうございました」と小さく頭を下げた。 そんな彼を、館長さんはとても優しい目で微笑んでいたのだった。
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