レトルトな日常

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夜になると、お母さんが帰ってきた。 「ただいま、あれ!もしかしてレトルト母さん勝手に開けたの?」 「おかえりなさい、だって一人だと寂しくて。」やっと帰ってきたお母さんに抱きついた。 「わかるけど…これ値段高いんだよなー。」そう言いながら、お母さんは頭をなでてくれる。 テーブルに着き、今日の出来事をお互いに話した。 お母さんはこの時間が好きみたいだ。 「そろそろ寝る時間じゃない?」お母さんはあくびをしながら言った。 「そうだね、おやすみなさい」そう言ってお母さんにキスをし、ぼくはゴミ箱に入った。 「やっぱり家に帰るときに誰かがいると安心するわ、家族って煩わしいからこれぐらいがちょうどいいのよね。 またレトルト家族シリーズ買ってこよ。」ゴミ袋の口を結びながら母さんは言った。
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