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(え えええ!氷山朔クンと話せるわけ?ノブグッチョブ!)
「天城って誰だ?」
「俺の前の席に座ってる女だよ」
「おい天城氷山冬夜のクラス知ってるか?」
「え、あD組だと思います。」
私がそう答えると転校生君はそうかとだけ答えて何かを考えるように黙り込んでしまった。私は少し転校生君と氷の貴公子の関係が気になったがそうっとしておいた。
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
授業が終わるなりクラスメイトの子(特に女の子)が転校生の席に寄ろうと近づいてきた。でも肝心の転校生はそんなものに興味はないという冷たいまなざしをむけ氷の貴公子のクラス、D組へ向かっていった。
「ねぇ玲あの転校生すごいイケメンだったね。苗字が氷の貴公子と同じってのが少し気になるよね。知り合いかもよ。」
そう私に話しかけてきたのは美音だった。
(美音さっきのノブと転校生の会話聞いてなかった…よね?)
「まぁそんなことより、あの担任玲のこと『頼りがいがある』って言ってたよね。まさかあの件のことかな?」
「……」
私は美音にトイレに行ってくると声をかけ教室を出た。
途中で氷の貴公子と転校生が話しているところを見かけたが、私は反応が出来なかった。いつもならイケメンが歩いていたら、見つめてしまうのに…
それほど私は気が動転してた。
(担任も美音もまだあの話を持ち出すなんて… ダメだ思い出すだけで気分が悪い)
私はあの時のことを鮮明に思い出してしまい、立ってられなくなった。
(だめだ い しき が)
前後不覚自分が暗闇に吸い込まれるのを感じ、廊下で意識を手放してしまった。
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