美音side

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美音side

転校生が来た。 (普通にイケメンじゃん!) もちろん転校生がイケメンだったことにも驚いたのだが、それよりも驚いたことは転校生の苗字が氷の貴公子と同じ『氷山』だったことと、転校生の顔を見て幼馴染の玲が驚いていたことだった。いやまぁイケメン好きの玲が転校生の顔を見て驚かないはずがないが、『なんで君がこのクラスにいるの?』 というような顔をしていたからだ。 転校生が席に着くなりノブや玲と一緒に最初は楽しく話していたにだが、途中から転校生が何かを考えるような仕草をしていたのが少し気なった。 授業が終わったらすぐに転校生が教室を出て行ってしまったので、転校生からは話が聞けないと判断し、変わりに玲に話を聞くことにした。 (なるべく自然に話ができるように…) 「ねぇ玲あの転校生すごいイケメンだったね。苗字が氷の貴公子と同じってのが少し気になるよね。知り合いかもよ。」 そう私が言うと玲は驚いた顔をした。 「まぁそんなことより、あの担任玲のこと『頼りがいがある』って言ってたよね。まさかあの件のことかな?」 「……」 玲が黙りこくってしまい私はとっさにやばいと感じた。 (きっと玲は嫌な思いしてるかも… どうしよ謝ろう) 私が玲に謝る。そう決心がついたとき ごめんトイレ行ってくる と玲は教室を出て行ってしまった。 (どうしよ とりあえずノブにでも相談してみよう。) 「ねぇノブどうしよう。玲にあの話しちゃったの。」 「おいおいまじかよ!玲があの件がトラウマになってることミオもわかってるだろう!?」 「うんわかってる、わかってるけどさ…」 ((玲どこかで倒れたりしてないよな)) きっと私もノブも同じことを考えていただろう。
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