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自然と体重が減り、肌艶も良くフェイスラインがスッキリしたせいだろうか?友香たちから『凛、痩せたね〜!』と言われるようになった。
相変わらず筋肉は健在だけど、恥ずかしいことではない、頑張った努力の賜物だ。
瞬発力を必要とする競技に、この筋肉は必要不可欠。今となっては、もっともっと鍛え上げても良いとさえ思うようになっていた。
稽古が終わって最初にやることは、水道の蛇口を捻り、バシャバシャと洗顔することだ。
顔を洗って目を閉じたまま、タオルに手を伸ばした私だったけど…
アレ? タオルが無い?
どこかで落としたんだろうか?
しかたなく目を開けた私の目の前には、タオルを手にした王子、一ノ瀬先輩の姿があった。
「ほら、これ使え!」
「いや、でもっ…」
「遠慮するな、たくさん持ってるから。」
「あ、ありがとう、ございますっ!じゃ、遠慮なく使わせていただきます。」
先輩からお借りしたタオルで、スッポリと顔を覆った私に、王子が言った。
「凛ちゃん…なんか、最近キレイになったか?」
へ……?
なんですと…。
「え…そ、そんなの、知りませんって!」
再びタオルで顔を隠す私。
きっと、今の私の顔は真っ赤だ…間違いなく。
それにしてもこのタオル、すっごい良い匂いなんですけど…。
「ははっ、そりゃ自分じゃ分かんねぇよな?
今の自分に自信を持て!技も冴えてるしキレもいい、努力してるのがわかるよ。何よりも生き生きしてるからさ、この調子で頑張りなよ!」
そう言って、立ち去ろうとする一ノ瀬先輩。
「あのっ、ありがとうございます!私、頑張ります! タオル、洗って返しますから、ありがとうございました!」
かなり力んで言った私の言葉に、一ノ瀬先輩が吹き出した。
「凛ちゃん…、肩に力が入り過ぎだ。気楽にやろうぜ!
何でもやり過ぎは良くない、続かなきゃ意味が無いからな。ちょっと力を抜いたぐらいが丁度いいんだよ。」
たぁ〜っ!なんてカッコいいんだろ〜
あんな素敵な人の彼女って、いったいどんな人なんだろうね…?
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