恋するサムライガール

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それから月日は流れ… 一ノ瀬先輩は既に引退し、今の私は副部長として現在の部長をサポートしながら、女子部員のまとめ役をしている。 そして、部全体を率いる部長は、私と同期で明るく人望も厚い中澤慶太くん。 この人、いわゆるイケメンではないけれど笑顔が素敵な人で、この数年で驚くほどカッコ良くなった注目の男子だった。 今年の夏も暑い。 しかし、今の私はニキビに悩まされることもなく、就活では運良く内定ももらうことも出来て、充実した学生生活を過ごしていた。 「凛ちゃん先輩、いつもながら爽やかですよね〜!お肌もスベスベで羨ましいですぅ〜」 「ですよね〜!何か特別なケアとかしてるんですか? エステとか?」 後輩たちが嬉しいことを言ってくれる。 「ははっ、エステなんて!そんなお金あるわけないでしょ〜。 そうだなぁ〜、基本的なことをキチンとすれば良いだけだよ?日常生活とかコスメとか。 何も難しいことはしなくていの。だけどね、努力を惜しまないこと。 内からも外からも自分を磨かなきゃ!だよ。」 言った後、ちょっと偉そうだったかな?と思って心配になったのだけど、こんな私を慕ってくれている可愛い後輩部員たちは、どうやら納得してくれた様子で… 「なるほど〜自分磨きか〜」 「凛ちゃん先輩!後は彼氏だけですね!」 「こんなに可愛いんですから、きっと出来ますよ〜、凛ちゃん先輩にも彼氏!」 とほほ…。 嬉しいのか悲しいのか分からないことを言って、みんなが私を励ましてくれた。 いつか彼氏もできると思っていたんですけどね…。 ねぇ?一ノ瀬先輩…。 剣道に明け暮れたせいでしょうか?それとも、力を抜き過ぎてしまったのでしょうか? 西園寺 凛、二十二歳、いまだに彼氏が出来ません。 だがしかし…
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