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第1話 出会ったのは皇帝陛下!?
雨がザーザーと降るこの街で、私の居場所なんてなかった。
暴力彼氏から逃げるようにして家を出て、お金も服も持って来る事を忘れた私に、行く場所もない。
「大丈夫ですか?」
おぼつかない日本語。
直ぐに外国人だって分かった。
「大丈夫です。」
「大丈夫のように、見えない。」
放っておいてと思ったけれど、私の様子を見て声を掛けて来たこの人には、通じないだろう。
「家、どこ?」
「ない。」
「ない?仕事、何してるの?」
「料理人。でももう働けない。」
「だったら、僕の国で料理人する?」
それが、私の人生を変えた一言だった。
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