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「な、何、言ってるんだ?……てめぇ!!あ、当てずっぽうはやめろ!!」
神田は陶也の腕を離そうともがき始めた。変な汗をかき始めている。
「当てずっぽう?本当にそう思う?よく聞いて」
陶也は薄笑いを浮かべて神田を引き寄せた。
「君は、美容にいいスムージーだよ、と言いながら、ソファーの上でネイルの手入れをしていた妹に薬を混ぜたスムージーを飲ませ、妹が自室で眠った所、彼女のストライプの部屋着を脱がし、彼女が好きなアイドル歌手のポスターの前で、ピンクのブラジャーをずらすと、それを口に……」
「てめえ、何を言ってやがるんだ!もうやめろ!!」
「そして、散々、妹の体を舐め回した後、また写真を撮り、あ!そこか!如何わしい写真のデータは!!君の部屋のクローゼットにある、紫色のボックスの中に全部入ってるんだ!……ふーん、そして、あの時の女子中学生のデータもそこか!」
「うわああああ!!」
と神田は悲鳴を上げ、陶也を振り払おうとして暴れた。「何で?何で?」と真っ青な顔で、うわ言のように問う。
陶也はそんな奴を冷たい目で見下した。
「僕にはね、見えるんだよ、全部」
神田の耳元に唇を寄せ、囁いてやる。
「お前らに触れると、お前らの悪事が、僕の目に写るんだ。どんなに隠したって無駄だよ──」
神田は恐ろしげに陶也を見つめたまま、膝から崩れ落ちた。
「お、おい……神田?」
後の二人もビクビクしたまま、神田に駆け寄った。
「お前らの悪事も見てやろうか?」
陶也は右手を上げ、一歩前に出た。
「や、ちょっ、ちょっと待て!待ってくれ!どうなってるんだ?」
一人は必死に神田を揺さぶり、もう一人は必死に陶也の歩みを止めようとしていた。
陶也は彼らを睨んだまま前に進んだ。
「なんで?……なんで、お前らは……、自分達を棚に上げて、イザヤを笑うんだ!!笑えるんだ!!イザヤはもう、ちゃんと罪を償っている!!それなのに、やっと穏やかに暮らし始めたイザヤの居場所を奪う気か!!お前らの方が自分の欲望を満たすだけの汚い犯罪者の癖に!!」
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