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執拗にリルオーの顔を舐め回すバウ!
ペロペロペロペロッ・・・・
「おい、やめろ!バウ!やめろって・・・・やめろー!」
しかしやめろと言われてやめるバウではなかった。
リルオーがワーワー言う事でかえってじゃれついてきた。
「おい、バウッー!」
そんなことをやっていると倒れ込んだリルオーの顔上空(バウでほぼ覆われていたのだが)の反対側からかわいい顔が覗き込んだ!
「何やってるのよ、リルッ!?」
「や、やあ、ルーヨ、見ればわかるだろ・・・・」
このやり取りもほぼ毎日のルーティンだ。
リルオーを見つけると彼に向かって一目散に走っていく愛犬を見てルヨーノは軽い嫉妬を覚えていたのだがそれがかなり長きに渡って繰り返されていたので彼女の嫉妬マイレージは溜まりに溜まっていた。
「わたしたち、庭(牧草地)に行って羊を連れてこなきゃならないのよね!」
これからツギノーニ家では羊毛商品を出品展示するための準備をしなければならない。
「あ、そうか、そうだね、それはちゃんとやんなきゃね!」
それを聞いたリルオーの頭の中で(「然るべき量の羊毛が確保できない、商品ができない、展示会に一緒に行けない」)という考えが音速の速さで巡った。
そしてそれはイヤだったのでバウと遊ぶのはそこで切り上げることにした。
「ほーら、バウ、よーし、よし、よし!」
リルオーはバウの口元を押さえ、喉を粗目に撫で上げてやった。
するとバウは気持ちよさそうにして今まではしゃいでいたのをやめた。
そしてもっとさすってくれと言わんばかりにあお向けになるのだった。
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