リルオー

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ツギーデ家と隣のツギノーニ家はその典型でありツギーデ家の牧牛もツギノーニ家の牧羊もうまくいっていた。 その代わり年がら年中忙しく猫の手も借りたいほど、近隣家族総出で取り組む 一大極小産業となっているのだった。 この時代のこの場所には近隣の子供たちを集めて物事を教え伝える場、つまり学校というものが無かった。 そういった事は各家庭でその重要性(読み・書き・そろばん―いわゆる3R'sくらい)の認識度に応じて個別になされていたくらいのものだ。 ツギーデ家の一人息子リルオー・ツギーデは好奇心旺盛であり活発である 半面、飽きっぽくて落ち着きがなかった。 周りから何か先回りして取り組む事を提示され促されてそれに従うよりは 自分で考えその考えに基づいて自由に行動したいタイプだ。 そのため今ある環境は彼の性に非常に合っていたと言えるだろう。
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