やまない雨

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 反田は頭のいい奴で、たいして勉強している風でもないのに成績はいつも学年で2番だった。ちなみに1番は俺。外に出るといつも雨だから家で勉強ばかりしている子供になった。勉強量が多いのだから1番なのも当たり前。俺としてはいつも外で遊んでばかりいる反田が学年2番をキープしていることの方がずっと凄いことのように思えた。でも、反田はそうは思っていなかった。反田はいつも俺のことを目の敵にしていた。  反田とは5年生になって初めて同じクラスになった。反田は4年生までは体育の時間に雨に悩まされることはなかったから、5年生になってから同じクラスになった生徒の中に雨男、もしくは雨女がいると考えた。その生徒は俺を含め全部で8名だったけど、反田はその8名の行動を逐一観察することで誰が雨男、もしくは雨女なのか割り出すことに成功した。犯人はもちろん、俺。 
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