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「お前だよ、雨笠。お前が雨男だ。この橋賀台小学校の疫病神だ」
認めない訳にはいかなかった。俺が外に出た途端に雨が降り、俺が屋内に戻った途端に雨が止むのは歴然とした事実だったから。
「そうだよ、俺が雨男さ」
その日から体育の時間や外に出る必要のある授業の時、俺は屋内で自主学習をするようになった。途端に雨は降り止んだから、教師や生徒の親ら大人たちも納得せざるを得なかった。
程なくして俺は学校に行くのをやめた。俺が通学している間はいつも雨。皆の俺を見る目は降り注ぐ雨よりも冷たく、それ以上耐えることができなかった。
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