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4月の終わり。
世間一般的に、ゴールデンウィークと呼ばれる期間のはじめ。
ミステリ研究会の部員たちは合宿を行うことになった。
新入生歓迎会も兼ねた、合宿と言う名の旅行だ。
M大ミステリ研究会の会長、神楽御詞。
彼の父親が所有する別荘へ真夜たちミステリ研究会のメンバーは招待された。
何でも、ミステリ好きにはぴったりの孤島にある別荘らしい。
待ち合わせ場所の空港に真夜が着いた時には、既に会長の御詞と副会長の神無月千鳥の姿があった。
知的な雰囲気の二人は、似合いのカップルのようで近寄りがたい。
真夜が気後れしていると、千鳥が気付いて声をかけてきた。
「睦月さん、こっちこっち!」
名前を呼ばれ、手招きされては行くしかない。
慣れないスーツケースを引きずるようにしながら、真夜は二人と合流する。
「神楽先輩も神無月先輩も早いですね。私も早めに家を出たんですけど……」
新入生が遅れるわけにはいかないと、集合の1時間前に着くように家を出た真夜。
しかし、この二人は彼女よりも早く到着していた。
「今回のホストは私だからね。案内役が遅れるわけにはいかないさ」
「御詞は遅刻魔だから、一緒に早く出てきたのよ」
同じ学年、同じ学部。
そして同じサークルに所属する二人。
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