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「高宮、よく聞け別にアイツだって本音であんなこと言ったんじゃないし、ただ女子にモテるお前に嫉妬しただけだ。俺だったアイツと組んで高宮を倒そうなんて思ってないし、考えてもないんだし。……全くアイツも笑えるよなー……アハハ…さっきだって俺のこと押し倒してナニするかと思ったから、ただ女子の人気取らないでくださいとか言い出すんだぜ? 笑い取ってるようにしか聞こえないっての……アハハハ」
って高宮全く笑ってねぇし。逆になんか表情悪くなってね!?
俺ただ弁解しただけだよ!?
しかも栗頭のこともかばって、俺ってやっさしい!!
悠斗が何やらおかしなことを考えているとき、それは起きた。
「フフ」
不気味な声ともに、高宮の顔が引きつって俺をとらえる。
本能的にビクリと跳ねる肩を押し、近くの机に押し倒す。
あれ?
今日、このシチュエーション多くね?
なんて変なことを考えていたせいか、悠斗はさらに頭の上に手首が括られ、押さえつけられていることに気付かなかった。
「先輩……俺の話聞いました? 俺、別にあんな栗頭の言った戯言なんでどうでもいいんですよ。俺が聞きたいものは、元ホモ学園の委員長が共学のイタイケは生徒をそれも新入生に手を出したんじゃないかってことですよ。あの時まさにお楽しみ中だったんじゃないんですか?」
また、あの人を軽蔑した冷たい笑い。
反抗するように睨めば、頭の上で押さえつけられている手に強く力が加えられた。
「んなわけないだろ! 俺をなんだと思ってるんだよ。俺だってちゃんと人を選ぶしあんなノンケをコッチの道に引きづりこむようなことはしねぇ……よ……」
ニヤリとどこかで誰かがほくそえんだようだ。
はっ嵌められた!?
つかなんで知ってんの!?
「おまっ…いや、誰のこと言ってんだよ? 人違いだ。ちょっと頭に血が上って混乱してるぞ……ハハハハ」
混乱しているのはこっちの方じゃないのか。心の片隅でそんなことを思った。
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