二【春・出会ってしまった】

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 なんでと驚く声を上げようとしたが、息をつく暇もなく覆いかぶさってくる高宮の唇に吸い込まれた。  どうしたらいいのか分からずに固まっているうちに高宮がヌルリと舌を差し込む。 「んぅ……ふぁ……」  高宮の舌で歯裏をなぞられた悠斗は、そのくすぐったさにビクッとなって肩を揺らした。  さらに舌を絡め取られ、甘くすわれると頭の中がボーっとしびれてしまう。  ネットリとした濃い口づけは泣いていたのを忘れるほど気持ち良くて、ドキドキして心臓が割れそうだった。 「はぁ……ん……」  やっと息を吸うことが出来ても、またすぐに口をふさがれてしまう。  舌を差し込まれ、のぼせて赤くなった頬を大きな高宮の手で撫でられる。  頬から耳の後ろまでをなでるその感覚が妙に厭らしくてキスをされたまま首をすくませると、涎が唇の端からツゥッと垂れた。  濡れた筋を頬に触れたまま親指でなぞり、高宮は頬からスッと手を放す。  なんとなく虚しく高宮に目を向けるけど、途端に目があってしまいすぐにギュッと瞑る。  フッと鼻で笑われた。  悠斗の顔にパッと咲いた赤み。抑える理性は悠斗にはまだ無かった。  それに、見られていないとしても触れたところからじわじわ伝わる温かさはすでに高宮に伝わっている。 「ンッ…はぁ…可愛い……」 「ひぁ……」  吐息交じりの声が耳元で囁かれ、得体のしれない疼きが悠斗の体中を侵す。 「ん?……」  ゴソゴソ  ギュッと目をつぶっていた悠斗は自分の腹の上で動く不思議なものに気が付く。  それは腹からのど元まで動き、何かを開いた。  そしてまた指はヘソのしたあたりまで移動し、一気にシャツを引き裂く。  ビッ――…… 「ええっ!?……おま…んんッ!」  驚いて目を見開くと、また、目いっぱい高宮の顔が広がった。  容赦なく差し込まれる舌にまたわけが分からなくなりそうになりながら、顔から下を覗けばあられもない自分の姿に眩暈がする。  制服こそは丁寧にされているもののその下はさんざんだった。  進級して買ったばかりのYシャツはビリビリに破かれ、床には飛び散ったボタンが転がっている。  そんな悠斗の上にいるのは誰もがイケメンだとささやく絶世の美男子。  しかも、悠斗は幼・小・中と学園の生徒。 ――この状況って……
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