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たださぁ、家が極道つか組の分家なだけで俺はただそのほどこしを少し受けただけだから……実践とかまじでないから……
でも、みんなが極道と聞いてどう思うかが、悠斗にはごく当たり前すぎでわからないから、いや、怖いだけなのかもしれない。
どちらにしても、悠斗にとってばれることはすごく恐怖感があった。
ドラマとかでもよくあるし……ばらしてぼっちになってるのとか。
ぼわんっと、脳内にクラスの人達から疎外されている絵が浮かび上がり、全身をブルリッと震わす。
想像するだけで怖くなってくる。
ある意味極道よりもこっちのほうが恐怖でいっぱいだ。
しかし、大体ドラマだと「そんなの関係ないじゃん」てきな素晴らしい人と仲良くなるけど……
俺にはそれにあたっても、もう一つ重要なことを隠している。
「なぁ? 元ホモ学園のい・い・ん・ちょ・う・さ・ん?」
「だっっまれ!!ここは廊下だぞ、殴られてぇのか!」
感情に任せて俺の拳が炸裂する。
しかし、ひょいっという効果音とともに、高宮はそれを軽くよけ、逆によけられてふらついた俺の腰を掴み、後ろから抱きよせられた。
「いいの? そんなことして……悠斗先輩、分の首絞めてるんじゃない?」
「んんッ」
わざと息をかけるように耳元でささやかれ、悠斗は耳から痺れるような快楽が広がり、掴まれている腰が疼く。
「ひゃぁ……んっ……」
最後にフッと耳に息をふきかけられ、悠斗は上ずった声を上げてしまう。
顔に熱がこみあげてくる。あっというまに悠斗の顔は赤く茹で上がった。
「悠斗先輩……可愛い。わかってると思うけど、放課後教室で待っててくださいよ? 勝手に帰ってたらお仕置きだから」
「可愛くなんか…んんっ……くすぐったい……んッッ……いっ」
首筋を舌を這わされ悠斗が首をすくめようとすると、チュッと吸いつかれてチリッとした痛みが走る。
その痛みの意味を悠斗は分かっていなかったが、満足そうに笑みを浮かべる高宮の顔をみて、自分が何をしたのかと疑問が頭を回り、困惑させている。
「ほぉら、先輩朝遅刻しちゃうよ? いいの? 委員ちょう?」
そういって高宮が廊下を進みだす。
「はっ!!」
くそっ……
なんで高宮京悟は俺の秘密を知っているんだよォォォオオオ!
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