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「なに? マジで気付いてないんですか? 結構な女子がそういう目であなたのことを見ているんですよ? 確かにまだ表には出ていないみたいですけど、出たら告白ラッシュ間違いなしだと思います。 まぁ、そんなことさせないけど。みんな俺のファンにしてやるんだからね」
最後にニッとした笑みを顔に張り付ける。
つーさっきと何か態度がチガクネ?
「えッッ……」
ヤバイ……声がでねぇよ(笑)
ナルの人なのだろうか……
いや、そうなのだろう……
ヤバイ 反語にならねぇ←
悠斗の頭は少しずつ壊れ始めていた。
ニヤケそうになる顔を必死に抑えているのだが、自身満々に言い放ったままの顔をまだ見せつけている人の顔をみると思わず笑みがこぼれる。
「なんですか? 先輩……そんなに俺のことみて、もしかして惚れました? 俺笑顔は女子しか効かないはずだけど、悠斗先輩は可愛いからかかっちゃったのかもしれませんね」
チョwwwwwwwwwwwww
ひィィィィィィィイイイイイイ!!!!!!!
やめてくれよォォォオオオ(笑)
必死に笑いをこらえようとするが、手を抑え込まえられてしまっては、顔がにやけるのが隠せない。
いや、もはや隠そうとすること自体が無意味なくらいに喉の奥まで這い上がってきたそれによって悠斗は吹きこんた。
「ぶはははっ」
栗頭の自分がなにに笑われているのか分からないというキョトンとした顔も、拍車をかけたように悠斗のドツボにはまって笑いが止まらない。
「フアハハハッ」
甲高い声が部屋に響く。
考えていることが全部馬鹿らしくなって、今まで『噂』という言葉にビクビクしていた俺が無意味だと分かった。
所詮、共学という括りの範囲ではホモなんているわけ無いし、よっぽどでなければそういうふうに疑われることもないんだ。
今まで何を怖がってやってきたんだろうと。半年間の悠斗の悩みが吹き飛んだ。
「アハハハッッヤバイ……お前おもしろすぎる。フハハっ大丈夫だよっククッ俺なんかお前が思ってるような奴じゃないんだから。お前の変な目標の邪魔にはならないって。つーか、俺なんかよりもまず高宮京悟をどうにかした方がいいんじゃ……」
悠斗の視界に栗頭を縁取るように映った真っ黒な影に、悠斗の言葉が失われる。さぁーと血が下半身に引いていくのが分かった。
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