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パパのところへ
「コンコン…コホン…私です。プラティナです。
入っても宜しいですか?」
ミスとリルがメイド達と過ごしている部屋のドアをノックする音がした。
「あっ⁉︎王女様…どうぞどうぞ…」
ドアがゆっくりと開いてプラティナが顔を見せる…
「お待たせ〜!!今日もお仕事終わったわよ…
ミス…リル…帰りますよ…
ああ…今頃ダーリン何してるかなあ…
会社の女の人と喋ったりしてないかなあ…
ああ…早く会いたいなぁ…」
いつもの事ながらナチュラルに妄想に入っていく
プラティナ…
「あ、あの…プラティナ様…」
「ママ…!!」
「帰ろうよ…パパの所へ…」
「はっ…!!あっ!!みなさん…いつも私の仕事中、ミスとリルの面倒を見てくださって本当にありがとうございます。
良い子にしてなかったら遠慮なく叱ってやってくださいね…」
プラティナは三人のメイドを前にして頭を深々と下げた。
「い、いえいえ…とんでもないです!!
姫様も王子様もご立派に成長されて…
こんな素晴らしい後継者がおられる我がジュエラ王国は安泰だって…みんなで話しているんですよ!!
あっ…私ったら王女様を前にしてなんて事を!!
お許しくださいませ!!」
プラティナはクスッと笑って…
「ありがとうございます。私も…父や母もそうなる事を願っています。それまでみなさんのお力を借りて頑張っていきますね。
そのためにもミスやリルは姫や王子ではなく、きちんと名前でお呼び頂きたく思います…
彼らはダーリ…コホン!!私の夫と同じように地位や名誉に関係なく周りの人達と関わって幸せな関係を築いて欲しいのです…
自由な環境で育って欲しいんですけど…それが私の唯一のワガママなんです…」
サブリナ・ケリー・クリスの三人はプラティナの話をうっとりとして聞いていた…
…王女様…お綺麗な上に凄く立派なお考えをお持ちだわ…
…お子様達が素直なのも当然よね…
…それに旦那様をとても愛してらっしゃる…私もあんな素敵な男性と…ウフフ…
「あっ…いけない…もう旦那様がお帰りになるわ…
それではみなさん…ご機嫌よう…
ミス、リル…行きますよ…」
そう言ってプラティナは部屋のドアを開けて人間界へと帰って行った…
部屋に残った三人のメイドは顔を見合わせて頷き合った…
「もうすぐボスから定時連絡がはいるわ…
みんな…後で例の部屋に集合よ…」
サブリナの言葉にケリーとクリスは頷いて、一先ずそれぞれの持ち場へと帰って行った…
それから一時間が経った頃…
三人は王宮の一番奥…倉庫の中の備品出納チェックなどをする事務所のような部屋に集合していた…
部屋自体がホコリだらけでカビ臭い…誰も近寄らない部屋だったがそこの備品の棚に囲まれた一番奥に
木製の大きなデスクがあった…
デスクの上には大きなスピーカーがあり…三人がそのデスクの前に並んでいるとスピーカーから…
「やあ…天使達…今日もご苦労様…
さて…新しい指令だ…」
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