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青木は強い力で数字を押し電話をかけた。
10コール鳴らしても出ない。あきらめかけた時、コールが止まった。
「おい、お前!なぜ返信書いてなかった!電
話番号だけとかなめてるのか!」
相手からの返事は聞こえなかった。
「何か言えよ!人間だろうが!声出せる
だろう!」
相手が怒鳴り声で話し続ける。それでも相手は一切しゃべらない。
こいつは頭がおかしいやつに違いないと思い、電話を切ろうとした時に声が聞こえてきた。
「やぁやぁ、ごめん。どうやら電波が悪い
みたいだ。君はもしかして青木くんかね
?
電話をくれてありがとう。」
なんともねっとりとした様なゆっくりとした様なあまり聞いたことのない声で相手は話し始めた。年齢的には50代をすぎたくらいだろうか。
なんだか拍子抜けしてしまった。
「あんた、名前はなんていうんだ?」
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