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その後
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干からびた俺。
ある日の女の涙。
それを見てまた俺に水気が戻った。
女が別れを口にするとき、つるりと頬にすべらした涙。
悲しい気持ちは俺だけのものではなくて
涙は語る。
忘れた筈の水気が、女への気持ちが戻っていって
俺はまた水吸う柔かさが戻り
スポンジへと戻った。
見上げると紫陽花
花片を露が一筋落ちた。
乾いてた俺はいっぺんに
水気溢れ潤い溢れて
元の俺の役割を取り戻した。
スポンジ。
俺の流したかった涙を流した女。
湿気で紫陽花を潤した。
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